クスメ・アキラの木工模型の世界へようこそ





2010年11月11日木曜日

クラシック・カーを作ってみよう

先日、旧いLP(アナログ・レコード)をひっぱり出して聴いていたら、面白いジャケットに出会いました。それが、次の写真です。



これは、日本ではほとんど人気のないLou Rawls(ルー・ロールズ)という黒人歌手のデビューアルバムですが、左から4番目の男が彼で、あとの3人は彼の伴奏をしているピアノ・トリオの面々です。


それはさておき、このジャケットのデザイン、すばらしいと思いませんか。ほとんど、Blue Noteの雰囲気ですが、実はCapitolのレコードなのです。後にこのLou Rawlsは有名になって、この絵柄は変更されますが、今にもアル・カポネが出てきそうなシカゴの駐車場の様子がよく捕らえています。

それはさておき、実はこの写真の構図を支えているのは、右端の車です。アメリカの20年代か30年代かは知りませんが、ギャングが乗っていたような、雰囲気に満ちた車ですね。

ということで、今回はこの車を作ってみることにしました。タイトルは一応「クラシック・カーを作ってみよう」としましたが、このブログをご覧なっている方で、車に詳しい方、ぜひこの車の名前と年代を教えてください。


この車の特徴は、
1) 無蓋である: つまり、オープン・カーです。だが、後部座席の後ろに蛇腹のようなものが見えますから、幌が後ろからせりあがって、かぶさってくるような仕掛けになっているのかもしれません。
2)前の車輪と後ろの車輪との間がやけにあいている。つまり、wheelbase(ホイールベース)が長いのです。ちなみに、tread(トレッド)については写真から縦横比で推測する他ありません。
3) 車輪が外にむき出しになっている。今時こんな車が走っていたら、道交法にひっかかる?


ということで、これを木工でやるとどうなるか。次からのプロセスを追って見ていってください。


まず用意するのは、下の写真のような40mmx15mmx120mmという平板です。かまぼこ板があればそれで結構です。だが、幅だけは40mmにしてください。




次に、この両端に同じ厚さ(15mm)の木片2枚を下の写真のように、前部40mm、後部15mmの長さで両端に貼り付けます。長いほうがノーズ部分になります。




次に、この両側に薄い板を貼り付けます。模型店などに売っているバルサ材がいいのですが、なければ、そうめんの入っていた箱の横板などで十分です。


私の板を見てください。ずいぶんと汚いでしょう。だが、これでいいんです。これをサンドペーパーで磨くと、下の写真のようになります。


次は、下の写真のように、座席を2つ付けます。そこらへんに落ちている木片で間に合わせてください。


次に、下の写真のように、前と後ろにバンパーを取り付けましょう。まず、本体にキリで穴を2つあけ、竹ヒゴを埋め込み、頭を5mm出します。



次に、この2本の支柱に対して、バンパーの板を付けると次の写真のようになります。もちろん、同じものを用意して前部にも付けてください。




上の写真では、すでに、ヘッドライトやフロントグラスや幌の格納枠などが取り付けられています。
ヘッドライトは、細い小枝を輪切りにして、貼り付けます。
フロントグラスは、薄い板を使ってください。ガラスやセルロイド、ビニールなど使うと興ざめです。

さて、下の写真は後部からみたものです。



ここではすでに、ステップ、ハンドル、ナンバープレイト、排気用グリルなどが取り付けられています。
ハンドルは隙間に入るくらいの細い丸太を輪切りして、竹ひごで刺して、足元に埋め込みます。アメ車ですので、もちろん左ハンドルですよね。
ステップは、ハンドルのある左側だけでいいと思います。この作業は車輪をはめた後がいいかも。
ナンバープレイトも薄い平板を使いますが、なければ、色のついた紙テープを貼ればいいでしょう。紙も、元はと言えば、木ですから。

さあ、そろそろ出来上がりです。最後に車輪を履かせることにしましょう。車輪の直径は30mmです。100円ショップで「めん棒」を買ってきて、輪切りにします。同時に10枚ぐらい切って、同じ厚さの揃ったものを4枚使うのがコツです。
まず、下の写真のように、ちょうどジャッキで上げるように、車体の下に6mmの板を敷きます。そして、4つの車輪を両端から同時に挟み込むようにボンドで貼り付けます。ボンドは車輪の内側のやや上方につけるといいでしょう。



このときのwheelbaseは85mmとなりますが、車体の両端ぎりぎりにつけるとちょうどいいでしょう。このときtreadは大体50mmになっているはずです。貼り終えたら、車体を絶対動かしてはいけません。一晩寝かせて完全に乾くのをまちましょう。もちろん、車輪は回りません。子供のおもちゃではないのでこれでいいのです。そもそも、これを子供に渡したら1日で潰しちゃいますよ。

では、いよいよ出来上がりです。下の写真を見てもらいましょう。


どうです。なかなか素敵でしょう。素材の持つ固有の色がアクセントになっているため、色を塗る必要はありません。
では、もう1枚、別の角度から、はいチーズ。


ということで、シカゴの駐車場とはいきませんが、伊勢神宮外宮の駐車場あたりだったら似合いそうですね。
今回は、これでおしまいです。

なお、私はこのような車の模型などをホームページで公開しています。ぜひ、次のサイトを訪れて見てください。

https://sites.google.com/site/kusumeakira/

また、このような模型とは別に、油絵(生絵)も描いています。それらは、次の、別のサイトで公開していますので、見ていただけると有難いです。

https://sites.google.com/site/aquirakusume/

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