前回は、プラウラー(うろつく人)なる珍しいヒコーキを作りました。作ったあとで、分かったのですが、よくもまあ、こんなアホらしいヒコーキを設計したものだ、設計ならまだしも実際に作るなんて、と思えてきたのです。よく「箱もの行政」と言われますが、これこそアメリカの箱ものではないか。いったい羽根がたためることにどれだけの意味があるのか。たたむことによる主翼の脆弱性は素人目にも明らかで、Grummanはいいカヌーも作っているのに、軍事産業を存続させるため、次々に新機種を投入して、経済を回している。このバカげたヒコーキがその役目を終えるのは日は目に見えている...。
などと思いながら、「浮かぶ飛行場」である空母のTVを見ていたら、鋼鉄のワイヤーをひっかけて、カッコよく降りてくるのはプラウラーではなく、垂直尾翼が2枚ある、機能美そのものというヒコーキだったのです。私はすっかり、今度は、このヒコーキに虜(とりこ)になりました。
件(くだん)のヒコーキは、F-15という機番の、Boeing社の第5世代戦闘爆撃機「サイレント・イーグル」だったのです。そのスタイルは、先のプラウラーをエアバスとすると、これはまさにコンコルド。頭の先はイーグル(鷲)のように尖(とが)っていて、主翼は3角形というか、合わせて6角形のデルタ翼というスタイルをしてます。さらに素敵なのは、垂直尾翼が2枚もあるのです。しかも、その下の4角い尾翼がヒラヒラとはためいている。このとき、私は決心したのです。うん、今度はこれだ。
ところで、このヒコーキは、いわゆるステルス(stealth)機と呼ばれるヒコーキで、同タイトルの映画もあったので、大体のイメージは沸くと思いますが、要するにレーダーにひっかからないようあらゆる工夫がなされているヒコーキのことです。戦闘機の歴史は、まさにこのレーダーとの戦いで、レーダーの性能がよくなれば、それに対抗して戦闘機もその性能を上げる。このイタチごっこで、こうして軍事産業が、また儲かるというシステムになっています。
いけない、またもや、前ふりが長くなってしまいました。では、早速作っていきましょう。
まず、前回同様、道端か公園で、下の写真のような、直径15mmぐらいで、長さは12mmの棒を拾ってきます。12mmでは短すぎるとお思いでしょうが、種を明かすと、このお尻にさらにエンジン部分がくっ付くことになるので、ちょうどいいのです。
上の写真では、すでに機首の部分を削ってありますが、木の元々の曲がりを利用して、コンコルドの頭のようにします。
次に別に、プラウラーのときと同じように、エンジンの吸気口を作ります。下の写真のように、ちくわの丸い芯を4角柱に変え、斜めに2つに切り分けます。
この2つの筒を、下の写真のように、胴体の両脇に貼り付けます。貼り付けるためには、当然、あらかじめ、胴体のわき腹を平たくしておかなければなりませんよね。
上の写真のように、竹筒が一定の高さを保つように、下に3mm厚の板を敷きましょう。
次に、バルサ材を用意し、全部で6枚の翼をつくります。下の設計図をみてください。
では、順に作っていきましょう。
まず、下の写真のようなスタイルで、主翼を作ります。
これも左右対称になっていますから、4角形を斜めにカットすればいいわけです。
次に、これを、下の写真のように、胴体の竹筒の上に貼り付けます。
上の写真では、すでにお尻のエンジン部分も取り付けてあります。このエンジン部分は絵の具の筆の軸を2本並べて切って作ったものです。
次に、このエンジンの上に、尾翼をつけたところを見ていただきましょう。
上の写真では、先の設計図通り、主翼の角がすでに落としてあります。これが乾けば、反対側も同じようにくっつけます。
次に、下の写真のように、垂直尾翼を立てます。真っ直ぐでもいいのですが、斜めの方がカッコいいと思います。
次は、車輪の取り付けです。プラウラーのときと同じ要領で取り付けます。ただし、今回は、胴体からの支柱は1本にしました。
次に、爆弾(ウエポン)を2個装備しましょう。下の写真のように、プラウラーの時よりは長めにします。
このように、爆弾は外に出ていますが、ミサイルはよりレーダーにひっかかりやすいので、横腹のウエポン・ベイと呼ばれるケースの中に格納されていて、表からは窺(うかが)い知ることができません。
さあ、いよいよ出来上がりです。では、その勇姿を見ていただきましょう。
どうです。このサイレント・イーグルは実にいいスタイルをしていますね。本来の目的がそのままにデザインに活かされた、こういうのを機能美というのです。
昔、ステルス機は木製でした。木製なら、当然レーダーにはかからないですよね。だから、今でも、遠隔操作で、木製のグライダーを飛ばし、敵地を偵察させる研究がなされています。ということで、ここに、本来あるべきステルス機の理想形が誕生したわけです。めでたし、めでたし。
と、浮かれている私にひとつの記憶が蘇(よみがえ)りました。たしか、このスタイルのヒコーキはどこかで見たことがあるぞ。早速、Googleの「images(映像)」の検索窓に「mig-29」と打ち込んだところ、出るわ出るわ、ミグのオンパレード。そのスタイルを見るや、このサイレント・イーグルと瓜2つなのです。ミグといえばロシア製ですから、北朝鮮にも装備されていることは明白で、これを迎撃するためにも、あのイージス艦の6角形のレーダーが必要なわけですね。だが、世界一の性能と謳っていても、すぐに書きかえられるのが世の常、安心できたものではありません。
ということで、私はこんなコピーものではなくて、オリジナルのステルス機を作ってみようとデザインすることにしました。では、KUSUME工房が贈る次の2つのステルス機をご覧ください。3枚連続しています。
上の3枚は、「マイティー・スパロウ(Mighty Sparrow)」という名のヒコーキで、3角形の広い主翼を前方に持ってきました。こうすると、重心は機首部分にかかるため、これとバランスをとるため、尾翼は3角柱とし、これを必要に応じて回転させ、機体の安定化を図りました。コンコルドは、操縦士の視野角を広げるために、あんなに機首を下へさげているのですが、このヒコーキは初めから、機首にあるセンサーで全方向をキャッチするようにしているため、コクピットは機体の中に隠れて見えません。
では、次のヒコーキを見ていただきましょう。
上の3枚は、「ノイジー・シケーダ(Noisy Cicada)」というヒコーキで、「やかましい蝉」という意味です。そのスタイルは蝉そっくりで、この羽根を震わせてノイズを出し、相手のレーダーを撹乱するのです。このヒコーキの機首も、上の「マイティー・スパロウ」同様、モニター仕様になっているため、操縦士の安全は最後まで護られることになっています。
こんなステルス機、世界のどこにもないはずですので、日本がアジア系初のステルス戦闘機を開発する際にはぜひ採用を、と願っています。
ということで、今年はここら辺りで、仕事収めとしましょう。
また、来年、新たな決意のもとにスタートしたいと思いますので、ご期待ください。
なお、私はこのサイレント・イーグル機のような模型やお人形をホームページで公開しています。ぜひ、次のサイトを訪れて見てください。
また、このような模型とは別に、油絵(生絵)も描いています。それらは、次の、別のサイトで公開しています。下のアドレスをクリックして、ぜひ訪れて見てください。

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