クスメ・アキラの木工模型の世界へようこそ





2011年2月7日月曜日

アーリー・カーを作ってみよう

みなさん、こんにちは。

エジプトでの騒乱は、もう1週間にもなるのに収拾がつかないようです。平和への期待を込めて、下の写真のような絵を描いてみました。題して、「平和なるエジプト」。


なお、私はこのような水彩画を次の「ピカサ・ウェブ・アルバムズ」に展示しています。興味ある方はぜひ訪れてください。「キングコング」や「千利休」もいますよ。

http://picasaweb.google.com/aquira.kusume808


さて、前回は、carriage(馬車)の代表的なものとして「駅馬車」を作りましたが、ちょっと複雑すぎて作りにくかったのでは、と反省しています。
さて、今回は、馬が引く車が「馬車」ならば、エンジンが引く車、つまり「自動車」を作ってみようと思い至りました。「自動車」とは、英語のautomobileを訳したものですが、「自動」で動く車など、この世には存在しません。その昔は馬が引っ張っていた車を、エンジンに引かせようというのですから、エンジンの設計には頭を使っても、車の方には知恵が回らなかったのか、車部分のデザインについては昔のままです。
だから、「アーリー・カー(early cars)」(初期の自動車という意味です)は、馬の部分をエンジンに変えただけ、つまり先のサリーにエンジンをつけたような車だったのです。ということで、今回はこの「アーリー・カー(early cars)」を作ってみようと思います。

ところで、この初期の自動車のエンジンは、「1馬力」つまり、一匹の馬が引くのと同じ力(ちから)しかなかったと思われます。1馬力とは、0.745kwの力(ちから)のことですが、具体的にはどのくらいなのか見当もつきません。

ところが、この前「イ・サン」という韓国のTVドラマを観ていたら、「1頭の馬」で引く馬車が出てきました。その馬車部分はリヤカー状のものではなくて、そうとう重い木で出来た箱状のもので、しかもそれに2人の御者が乗るのです。それだけではありません。その木箱の中に、主人公たる2人の子供が隠れるのですが、すでにそこには密造酒がなみなみと満たされた木樽が2つも載っているのです。さらに、この酒が検非違使に発見されそうになって、2人の御者は彼を殺してその馬車に投げ込むのです。これだけでも相当重いはずなのに、彼らは逃亡するために馬にムチをくれて疾走するのですが、その途中で、なんと石でできた丸い太鼓橋を全速力で渡り切るのです。もちろん撮影時には、箱の中は空だったと想像されますが、それにしても「1馬力」の威力とはこんなものだ、とびっくりするシーンでした。
ここからも、たとえ1頭でも、馬の引く力は相当なものだ、ということがわかります。「ベン・ハー」という映画でチャールズ・ヘストンが乗るチャリオット(けいが)が、4頭建てだったのを知ると、あのスピードと迫力も、むべなるかなと思われます。普通の50ccのバイクでも7馬力ぐらいはありますから、そのパワーはあなどれませんね。

さてさて、またもや前置きが長くなってしまいました。さっそく、初期の自動車を作っていきましょう。
まず、いつものように、下の写真のような15mmx40mmx120mmの平板を用意します。


次に、下の写真のように、その両端に木片を積み上げます。


次に、下の写真のように、先頭部分を3角に切り落とします。


続いて、下の写真のように、座席部分に2人分の切り込みを入れます。


では、ここまでの作業をまとめて、斜め上からのショットでご覧いただきましょう。


次に、下の写真のように、ハンドルを中央につけます。ハンドルは、丸い小枝を輪切りにして、竹ヒゴに刺し、エンジン部分の真ん中に止めます。この時代の自動車にはまだ左ハンドルという意識がなく、御者の代わりというイメージだったので、真ん中でいいのです。


上の写真では、ハンドルの後ろに新しく3角柱が入っているのがわかりますね。
続いて、下の写真のように、後部の右端に枕に当たる木片を貼ることにしましょう。


上の写真では、すでにウインドウがついていますね。さらに、ナンバープレイトやライトの影もちらりと見えます。では、ここまでを、下の写真で確認してください。ウインドウは黄色に塗ってあります。


そろそろ、仕上がりに近づいてきたようです。あとは、車を履かせるだけです。
ということで、出来上がったのが、下の2枚の写真です。


どうです、きれいに仕上がったでしょう。車輪は同系統のうす茶で、ナンバープレートは青で塗ってアクセントをつけました。

では、ここで同時に作ったアーリー・カーの様々なスタイルを2枚ずつお見せしましょう。

1)黄色いアーリー・カー(カラー版)


普通、色を塗るのは最低限にしているのですが、余った絵の具があったので、黄色で全体を塗ったら、案外統一感のとれた自動車になりました。

2)広い背もたれのあるアーリー・カー


エンジン部分を長くしました。さらにその上にはエンブレムも付いています。バランスをとるためもあって、背もたれを幅広くしました。

3)馬車風のアーリー・カー


正に、先の馬車にエンジンをつけたというスタイルのアーリー・カーです。

4)乗り合い馬車風アーリー・カー


これも馬車にエンジンをつけたというスタイルですが、ちょっと大型(6人乗り?)過ぎて当時のエンジンの力(ちから)では無理かも。

5)座席が囲まれたアーリー・カー


ご覧のように座席の周りが枠で囲まれています。さらに、背もたれも付いてよりエレガントになりました。
こういうことで、今回は終わりです。


なお、私は今日作ったアーリー・カーのような模型やお人形をホームページで公開しています。ぜひ、次のサイトを訪れて見てください。


また、このような模型とは別に、油絵(生絵)も描いています。それらは、次の、別のHPで公開しています。下のアドレスをクリックして、ぜひ訪れて見てください。


また、次の「ピカサ・ウェブ・アルバムズ」というサイトでは、私が最近描いた絵の一覧などがご覧になれますので、よろしく。


2011年1月31日月曜日

駅馬車を作ってみよう

みなさん、こんにちは。

前回までで、「サリー」と「屋根付き馬車」という簡易型の馬車を2種類作りました。
今回は、それがもう少し進化した馬車、人を乗せて長距離の旅行の出来る馬車、そう「駅馬車」を作ろうと決心しました。
さて、「駅馬車」といえば、誰でも思い出すのがジョン・フォードの「駅馬車(stagecoach)」という映画でしょう。


だが、このstageとは、舞台のことではなく、駅、つまり馬車の止まる宿場のことです。そういえば宿場やバーや銀行などの建物は、通りより一段高い木のステージの上にありますね。
さて、coachとは4輪の大型の馬車のことです。だから、stagecoachというタイトルは、まさに原題通り、[stage(駅)+coach(馬車)]→[駅馬車]ということになります。この映画では、6頭の馬に引かせる6人乗りの大きい馬車でしたが、今度作るのは、4人乗りの小型の駅馬車にしました。
などと言っているうちに、またもや前説が長くなってしまいました。早速作っていきましょう。

まず、以前「クラシック・カー」を作ったときのように、下の写真のような400mmx15mmx120mmという平板を用意します。


次に、下の写真のように、その両端に左右対称的に、木片(30mmx2と18mmx2)を積み上げて、ボンドで止めます。この部分が、向かい合った座席になります。


次に、下の写真のように、両端をノコギリでカットしますが、右側は御者台になるので、より深くカットします。


次に、下の写真のように、先頭の上部に御者席をつけます。これには、25mmの2枚の木片が必要です。


次に、下の写真のように、両側に、一面にうす板を張ります。


上の写真では、すでに、出入り口にあたる部分が両側ともカットされています。だが、手前側はあとで塞(ふさ)いでしまいます。というのも、駅馬車のドアは左側についているのです。自動車と違って、御者は外にいるのですから、右ハンドルも、左ハンドルも関係ないはずなのに。ということは、この時代は、アメリカでさえもイギリスの影響を受け、左側通行だったのですね。右側通行になり、左ハンドルになったのは、米英戦争後イギリスとは違うんだ、という気概が生んだものと思えます。

さて次に、下の写真のように、馬車の後部に、御者台と高さを合わせて、背板をさらに積み上げます、この高さはおよそ20mmとなります。


次に、下の写真のように、割り箸4本を使って、前部と後部をつなぎます。


下の棒の、入り口部分はあとで切るのですが、まとめて一本で貼っておいて、あとで切るのが簡単です。
次に、下の写真のように、天井部分に天板を貼ります。大きさは、115mmx55mmとなります。


上の写真のように、御者台の背で合わせて、後部(左側)で少し突き出すように貼ってください。
次に、下の写真のように、右側の横腹に塞ぎ用の板(50mmx25mm)を貼ります。ここに、会社名や行き先などを書くと、カッコいいものになるはずです。


上の写真では、すでに窓枠も出来上がっています。これは、割り箸を寸法を測って、切って貼ったものです。
さらに、後部の荷物入れ用の板(45mmx33mm)も貼ってありますね。
次に、左側に、下の写真のように、扉を別につけましょう。


上の写真のように、色違いの板を使うのがいいでしょう。ここも、右側と同じように割り箸を使って縁取りをします。
さあそろそろ、出来上がりに近づいてきましたが、その前に、下の写真のように、


御者台の底の部分に心棒を貼っておきます。心棒とは、船の舵みたいなもので、この棒を中心に前輪が右へ左へ自由に動けるようにするものです。実際には、前輪は固定されたままですが、このよな棒を入れておくことで、前輪がうまく付くことになります。

さて、いよいよ、車輪の取り付けですが、実はこれが大変なのです。この車輪の製作には、本体よりも時間がかかってしまいました。
まず、車輪を何で作るかが問題ですが、最終結論は次のものです。


えっつ!笑ってはいけません。一般に「ボンボン・テープ」と呼ばれる代物ですが、これの芯を使うのです。これを輪切りにして、まず竹ヒゴを、下の写真のように、十字にします。


だが、前輪と後輪ではサイズが違うのです。小さい方には、別のものを探さなくてはいけません。最後に見つけたのは、「カーペット・クリナー」の芯でした。言っておきますが、トイレット・ペーパーの芯ではありません。トイレット・ペーパーの芯では柔らか過ぎて輪切りができないのです。
ということで、やっとこさで出来たのが、次の写真のようなペアです。


うふふっ。十文字は、さらに増えて2十文字(?)になっています。これを作るだけで、どれだけ時間がかかったことか。ああ、しんど! 

さて、次の問題は、この車輪たちをどのように馬車にセットするか、です。
まず、前輪です。前輪は、下の写真のように、あらかじめ、シャフトを作ってつないでおきます。シャフトの長さは胴体の長さの45mmと同じで結構です。


これを、先の心棒の上に、下の写真のように、差込み、ボンドで止めます。


次に、後輪です。下の写真を見てください。先の「クラッシク・カー」のときのように、高さを保つため車体の下に15mmの板を敷き、胴体のわき腹に直接貼り付けてしまいます。


いよいよ最後の作業。下の写真のように、天板の上に、荷物置きの枠、いわゆるキャリアーを取り付けます。高さは、10mmの板で四方を囲めばいいでしょう。


という長旅の結果、ついに駅馬車の完成です。まずは、その全貌を見ていただきましょう。


何ということでしょう! 匠(たくみ)の細かい配慮により、すでにドアの下のステップまで付いているではありませんか。(笑)
では、もう一枚、別の角度から。


どうです。ついに、西部の荒野の長距離の旅もこなせそうな駅馬車の完成です。めでたし。めでたし。

追記1:
駅馬車を作ったからには、幌馬車も、と思うのは人情です。ちょっと気が進まなかったのですが、作ったのが、下の写真です。


幌を紙製にしたのと、車輪を描いたのがよくなかったですね。子供の夏休みの宿題の工作のようになりました。

追記2:
気を取り直してと。ところで、You Tubeで先の「駅馬車」のカラー版が見られることをご存知ですか。
また、1986年には、「駅馬車」のTV版が作られていて、これには、何とJohnny Cash, Willie Nelson, Kris Kristofferson, Waylon Jennings, John Schneider, David Alan Coeなどの、カントリー・ミュージックの大御所が続々登場、カントリー・ファンにはよだれの出そうな駅馬車になっています。未見の方にはお勧めです。You Tubeの窓枠に「stagecoach 1986」と打ち込んでご覧ください。

ということで、今回はこれでおしまいです。


なお、私はこの駅馬車のような模型やお人形をホームページで公開しています。ぜひ、次のサイトを訪れて見てください。


また、このような模型とは別に、油絵(生絵)も描いています。それらは、次の、別のサイトで公開しています。下のアドレスをクリックして、ぜひ訪れて見てください。


また、次の「ピカサ・ウェブ・アルバムズ」というサイトでは、私が描いた絵の一覧がご覧になれますので、よろしく。

http://picasaweb.google.com/aquira.kusume808



2011年1月24日月曜日

屋根付き馬車を作ってみよう

みなさん、こんにちは。

前回は、「サリー」と「フリンジ付きサリー」を作り、初期の馬車がどんなスタイルをしていたか、を探りました。
さて、サリーの天井に付いているフリンジは、日よけ(たまに雨よけ)にはなっても、風よけにはなりません。つまり、サリーのようなオープンな馬車は主にレジャー向きであることがわかります。
だが、時代がたつにつれて、より実用的な馬車が求められるようになります。つまり、旅客と荷物を運ぶ馬車です。そのためには、風雨を防ぐためのちゃんとした屋根がついてなくてはなりません。これを、オープン(無蓋)に対してクローズド(有蓋)といいます。これが発展して、列車となり、バスへとつながっていくのです。そういえば、carriageという英語は、もともと「運ぶもの」という意味で、初期には「馬車」の意味で使われていたのですが、後に「客車」や、「自動車」という意味に発展していきます。
それはともかく、今回は、「しっかりした屋根の付いた馬車」を作ってみたいと思います。

まず、いつものように、下の写真のような、15mmx40mmx120mmの平板を用意します。


次に、下の写真のように、両端に木片(20mmと30mm)を積み上げます。


上の写真では、御者台の部分はすでに加工がなされていますが、左側が先頭で、右側が後部です。
次に、下の写真のように、先頭部分の両端を先頭から30mmのところで3角に切り落とします。


次に、下の写真のように、先頭から30mmのところ(上と同じ位置)に、もう1つ木片(20mm)を縦に入れます。これは、御者台と客車部分とを隔てる「仕切り板」となります。


次に、下の写真のように、この部分の両側に平板(22mmx88mm)を張ります。


ここまでの姿を、斜め上から見てみましょう。


どうです、大分仕上がってきたのがわかりますね。
次に、下の写真のように、4本の支柱をたてます。前方の2本は箱の内側に、後方の2本は背板の上部に立てます。


いよいよ、上棟式といきましょう。下の写真のように、屋根(55mmx110mm)を乗せます。前方は丸く縁取りしてください。


上の写真では、すでに4つの車輪がはめられていますが、前輪のつけ方を下から覗いて見ましょう。


最後に2つの後輪を履かせます。車体の下に、12mmのあて木を敷くのでした。
では、最後にその姿を2枚続きで見ていただきましょう。


どうでしょう。外の景色も眺められる4人乗りの馬車が出来ました。アクセントのために、屋根と車輪には色をつけています。
御者台がちょっと高すぎた感じですのでもっと低くし、さらに後輪を一回り径の大きい車輪(30mm)に代えたのが、下の写真です。


どうでしょう。これで完成となります。

さて、この種の馬車を多数所有できた当時の資本家は、運送会社やタクシー会社を運営し、さらに大金持ちになりました。
こうして、馬車によって人や物が運ばれるようになると、お互いに乗り合わせた人々の間で会話が弾み、情報を運ぶ馬車にもなりました。また、同時に金(かね)を銀行間に運ぶ馬車も現れました。
こうして、この「屋根付き馬車」の出現によって、[人+もの+金+情報]の移動という、経済の流れがこの馬車のもとにスタートしたのです。
このあと、馬車は馬を何頭も使うほど大型化し、2階建ての馬車まで登場しました。しかし、それにも限界があります。鉄道が発明され、蒸気機関によって、大量の人とものが運ばれるようになると、この種の馬車も消えていく運命にありました。

では、ここで、これと同時に作った「屋根付き馬車」7台のレビューといきましょう。各2枚続きになっています。

1)自家用馬車


御者台と車両部分が完全に分離されたタイプです。屋根には、キャリアを乗せました。お金持ち用のキャンピング・カーという作りです。

2)観覧馬車


よく観光牧場や遊園地にある、6人ほど乗れる、観覧車風の開放感のある作りです。

3)タクシー馬車


かまぼこ板で作った、横幅の広いタイプです。そのため、後輪は外付けでなく、内側にめり込ませています。

4)長距離馬車


長距離用の、後部より乗り降りするタイプです。

5)ぼっちゃん馬車


四国松山のぼっちゃん電車のような、窓が上の方についている馬車です。左側に乗降口をつけました。

6)バス風馬車


窓を2つ設けて、バス仕様になっています。後輪の模様にご注目。

7)荷物馬車


人を乗せて運ぶというよりは、ものや金(かね)を運ぶ馬車です。そのため、窓は潰してあります。現代風にいうと、現金輸送車か、人命救急車か、囚人護送車というところでしょうか。
ということで、今回はおしまい。みなさんも、このうち1つに挑戦してみませんか。


なお、私はこの屋根付き馬車のような、模型やお人形をホームページで公開しています。ぜひ、次のサイトを訪れて見てください。


また、このような模型とは別に、油絵(生絵)も描いています。それらは、次の、別のサイトで公開しています。下のアドレスをクリックして、ぜひ訪れて見てください。